白駒一樹~モノプリント
白駒一樹のモノプリント作品の、個人邸のリビングルームへの納入事例をご紹介させて頂きます。
白駒一樹(1962年生まれ)は現在千葉県の太平洋にほど近い場所にアトリエを構え、庭の草木や周辺の景色の持つ自然の美しさと
生命力を表現した作品を制作しています。
制作する作品の種類は、油性木版を始め、ここでご紹介するモノプリントのほか、薄い木片を5~7層にデータ構築し、レーザーで
照射加工、カッティング、アクリル絵具で彩色した木のレリーフなど多種にわたっています。
モノプリントは、木版画の技術を利用した何層もの半透明の絵具が重なり合った奥行きのある作品です。
エデイション版画が何枚もの版を作って通常同じものを10枚以上(30とか50とか場合により100枚以上)刷るのに対して
モノプリントは一枚の作品のためだけに版画と同じくたくさんの版を制作します。
以下にモノプリントの制作工程をご紹介させて頂きます。
こんなにも手の込んだ綿密な工程を経て一つの作品が出来上がるということがお分かり頂けるかと思います。
先ず本制作に入る前に以下のようなスケッチを作成し、お客様の承諾を得ます。
なお、スケッチはグラフィックソフトイラストレーター上で作成します。
お客様の承諾が得られましたら、いよいよ本制作に入ります。
下の写真は、少し見づらいかも知れませんが「版」の見本です。
この作品のために8つの版を制作します。1の版から順に刷っていきます。
1の版は黄色です。この黄色の部分は最終的にはほとんど隠れてしまい、点や線がのぞく程度になります。
2の版は2回使います。先ずは銀色、次に緑の透明色を刷ります。
続けて乾かないうちに3の版で空刷り(インクをこの版に刷り取る)をし、緑の濃淡をつけます。
乾いたあと、4の版で白を刷ります。
そして、乾かないうちに5の版で空刷り(インクをこの版に刷り取る)をし白の面に濃淡をつけます。
さらに、インクが乾いたあと、もう一度4の版で緑の透明色を刷ります。
6の版で白を2回刷ります。
そのあと、7の版で銀または銀箔を乗せます。
全てのインクが乾いたあと、一部手彩色(今回は紫)を行ったうえ、8の版で紙の白地部分にエンボス加工をして完成です!
下の写真が完成した作品です。額装したあと、お客様に納品します。
【自然の生命力】を表現した作品は、快適な空間づくりのためのアートとしても適しており、ご家庭のリビングルーム、
オフィスの会議室や応接室、また病院、老人施設等にも多数飾られています。
白駒一樹の作品は弊社ホームページの白駒一樹のページでご覧頂けます。
よろしければご覧ください。