絵画販売~具象から抽象へ
絵画販売の業態、取扱商品も時代の流行、変遷と共に日々変化していきます。
ここ10年から20年くらいで顕著なのが、現代アートの台頭、具象から抽象への変化です。
絵画販売のギャラリー(画廊)の分類
ギャラリー(画廊)は東京、大阪をはじめとしまして、都市を中心に全国的に多数存在していますが、店ごとにそれぞれ特徴があり、まさに千差万別で「ギャラリー(画廊)とはこのような商品を扱っている、このような業態です。」と一括りに説明することが出来にくい面があります。
以下に大まかですが、取扱商品・販売方法・販売先によって分類してみます。
1) 取扱商品のジャンルによって日本画・洋画・現代アートの何れかを扱う画廊に分ける。
これらのジャンルの作品は、表現方法によって具象と抽象に分けることも出来ます。なお、日本画・洋画には具象作品が多く、現代アートには抽象作品が多い傾向にあります。また、取扱作家は概ね店ごとに異なっていることの方が多いようです。
2) お客様に訴求する方法によって、画廊で個展を定期開催する、百貨店を拠点に展覧会、外販を行う、海外のアートフェアを中心に活動、またネットでの販売に力を入れている画廊等に分ける。
3) 販売先によって、個人宅・企業の会議室・応接室、またホテル・病院・マンション・老人施設等に絵画・版画・墨象・オブジェ・彫刻などを飾る顧客を対象にした画廊、また美術品のコレクション(蒐集)を行う顧客を対象にした画廊に分ける。
因みに、ギャラリーファインアートは、「モダンな空間づくりのための、おしゃれでかっこいい現代アートの販売」をコンセプトに、「アートを飾りたい」方々のご相談を承っております。
なお、作品の傾向はモダンな抽象作品です。
具象と抽象
最近は具象傾向の作品よりも、抽象の方に人気が集まっているように思います。
その理由はよくは分かりませんが、人々の新しいものを求める傾向、また抽象の方が現代的な居住空間によく合うという点に起因しているのではないでしょうか?
ここで、具象作品とは意味のあるものが描かれた作品のことを指し、抽象作品とは意味のない色と形だけで作品の美しさを追求した作品のことを指します。
作品の持っている「言語性・意味性」が具象の特徴であり、一方「言語性・意味性」の排除を抽象と呼ぶことも出来ます。
因みに私たちの目に入る自然(世界)には、神秘的とも言えるほど見事な秩序と規則性があります。この神秘的とも言える線と形と色のつなぎ目のない連なり、秩序だった構成が自然(世界)の特質とも言えます。
そして、同じ自然(世界)であっても、どのような視点で見るかによって異なったものが見えてきます。
その意味で、この自然の線と形と色のつなぎ目のない連なりを、作家がどのように感じてどのように表現するかによって、出来上がる作品も違ってくるのではないでしょうか?
例えば作家が、「テーブルの上にバラの花を生けた花瓶があって、花瓶の下にはテーブルクロスが敷かれている。そして目を転じればテーブルの横の窓からは外の緑の木々が茂っている」情景を描こうとする時、作家はそれぞれの対象物の意味を良く理解していますので、意味を持ったモノに焦点を当てた描き方をする関係で、意味性が強調されたいわゆる静物画が出来上がります。
一方、生まれたばかりの赤ん坊が同じ情景を見た場合、それぞれのモノの意味が分からないため、そこに目にするのは、意味を持たない線・形・色面だけのつなぎ目のない連なりだけであって、大人が目にするような意味のある世界とは異なるものなのではないでしょうか?
同じく、作家が言語性・意味性を排除して、自然(世界)の色と形の連なりだけを描いた時には、幼児が目にしたのと同じような作品が出来上がるのではないでしょうか?
そして、その作品は具象画ではなく抽象画と呼べるようなものになるのではないでしょうか?
抽象作品と言いましても作家毎に個性的で、多種多様なため、「抽象とは何か?」を一言で定義することはたいへん難しいことですが、「言語性・意味性、そしてその排除」を切り口に考えますと、その理解が少しは深まるように思えます。
抽象、抽象画に関連した下記のブログもご参考になるかと思いますのでご一読ください。
抽象、抽象画、抽象絵画の見方
https://www.g-fineart.co.jp/blog/074
抽象画販売サイト
https://www.g-fineart.co.jp/blog/026
現代アートの見方
https://www.g-fineart.co.jp/blog/085