「コロナウイルスの時代に思うこと」~片山みやび~
ほとんどの時間をアトリエで過ごすことが多い私は、緊急事態宣言が出たからと言って、普段の生活と変わることは、あまりありません。
でも、多くの人は、入ってくる情報がコロナ一色になっている現在、罹患していなくても、精神的なところで、気持ちが沈みがちではないでしょうか。何か心の大切な部分が枯渇していくイメージにも感じています。
私自身も、そんな気持ちが大きくなり、TVを必要以上に観なくなりました。情報収集することを、最低限にしようと思ったからです。
社会活動のほとんどが止まった現在、私自身は、以前よりゆったりと制作できていることにも気付きました。
朝、家の周りを散歩をすることも始めました。そこで、普段だと気づかなかった鳥のさえずり、道の脇に咲いた愛らしい草花達に遭遇し、思わず立ち止まり、小さな声も聴き逃すまいと耳を澄まし、草花の魅力に思わず目を細めてしまう、、、何気ない日常にも、こんなにステキなものが溢れているのです。そしてこういうことは、確実に心の栄養になっていると感じるのです。
自然と同じように、普段観ているアートや聴いている音楽にも同じことが言えると思います。最近、私は、Facebook,Instagram,Twitterに新旧の作品を載せるようにしています。直に観てもらうのが一番だとは思いますが、今の世の中で、私なりに出来ることがないかと考えた末に、辿り着いたことなのです。負のイメージの情報の多い中、少しでも前向きに、元気になれる、癒されるようなものが発信できていたらと。芸術は心に栄養を送るという役割があると思うのです。そして、アートにはその力は十分あるし、その大きな役割を芸術は担っていると考えています。
ドイツでは、政府がいち早く芸術家に対しても、支援策を打ち出しました。同じ欧州のデンマークに、1年ほど滞在したことがありますが、その時に、芸術に対しての市民の意識が非常に高いことに驚きました。
日本もこの困難な時代を超えて行く中で、芸術の力を信じ、芸術と共に、より良い世の中になるようにと願っています。
2020年5月7日 片山みやび