FFE〜インテリアとしてのアートワーク
このページは建築士・デザイナー・インテリアプランナー・インテリアコーディネーターの方々がFFE・インテリアの一環としてアートワークをご計画、検討なさる場合に役立つ情報を掲載しています。
ちなみに、FFEとは“Furniture Fixture and Equipmentの略称で内装仕上工事(クロス・塗装・木工事など)を除いた装飾的な家具・備品・照明器具・カーペット等の工事の総称”です。
またアートワークとは、個々のアート作品をさす場合もありますが、このページでは、“様々な建築空間と調和しまた空間の価値をより高める目的で空間のデザイン・コンセプト・利用目的等に合わせてアートをプランニング・提案・受注・納品・取付けするまでの一切の仕事”という意味で使っています。
この稿の前半では弊社が過去に行ってきたアートワークの事例を業種別・場所別に分類して掲載致しました。アートワークをご検討頂く際の一助にして頂ければ幸いです。
後半では巷間よく目にするアートワークを数多く観察し分析した内容を弊社の見解として掲載しています。
業種別実施事例
今までに弊社が実施してまいりましたアートワークの中から約80事例を業種別・場所別に分類してご紹介致します。
病院・老人施設
No.1 ホール
病院や老人施設のアートは明るいこと、健康的であることが必須条件となります。作品を通してご利用者に和らぎ感、安らぎ感、寛ぎ感を感じて頂けるような作品選びを行います。
この作品は樹木の連なりをテーマにしており、人々の生命力と人々が本来的に備えている自然治癒力のシンボルとして制作されました。
- No.2 エントランス
- No.3 エントランス
- No.4 エントランス
- No.5 エントランス
- No.6 廊下
- No.7 廊下
- No.8 廊下
- No.9 廊下
- No.10 廊下待合
- No.11 デイルーム
- No.12 デイルーム
- No.13 (No.14の拡大)
- No.14 総合受付
- No.15 待合室
- No.16 産婦人科待合
- No.17 小児科待合
- No.18 待合室
- No.19 待合室
- No.20 待合室
ホテル
No.21 ロビー
ホテルのアートワークにおきましては、すっきりして格調がある。非日常空間を演出する。という2点を最重要視して作品選びを行います。ホテルが“ハレ”の場所であることは今も昔も変わりませんのでそれにふさわしい作品を飾りたいもの。
この作品はホテルのロビー正面に納品した木の彫刻です。このホテルはロビーだけでなく、各階の廊下、客室等すべての場所に同じ作家の作品飾られています。
同じ作家に統一することにより、ホテルのイメージをより明確にご利用者に伝えていきたいというホテルの意向を基に約900作品を納入致しました。
- No.22 ロビー
- No.23, No.24 和食レストラン
- No.25, No.26, No.27 廊下
- No.28 EVホール
- No.29 EVホール
- No.30 EVホール
- No.31 EVホール
- No.32 (No.33の拡大)
- No.33 客室
- No.34. No.35, No.36 客室
オフィス
No.37 打ち合わせ室
オフィスのアートはご利用者に快適さを与えるとともに企業イメージを発信するためのツールともなります。アートワークの作品選びもこの目的にそって行われます。高度成長期においては、いわゆる泰西名画や国内の有名作家の日本画や洋画を飾る例が多くみられましたが、ここ20年くらい前から社員の発想力を高める、企業や商品の持つ現代性と新しい時代感覚を社の内外に対して訴求することを目的に現代アートが多く採用されています。
この作品はお客様と社員の皆様との間でより快適な、よりクリエイティブな会談が行われるようにという配慮の基に食品メーカーの工場の打ち合わせ室に飾られています。
- No.38 オフィス
- No.39 (No.40の拡大)
- No.40 エントランス
- No.41 ホール
- No.42 大会議室入口
- No.43 社長室
- No.44 社長室
- No.45 応接室
- No.46 玄関
住宅・マンション
No.47 リビング
住宅やマンションに飾るアートは基本的に飾る方のお好みが大きく左右されます。最近ではオフィスのアートと同様色とかたちの組み合わせによって自由な発想で制作された現代アートが一般的になってきています。
この作品はマンションのリビングルームに飾られている銅版画です。版画は複数枚数制作しますので価格帯も比較的お安い価格設定がなされています。
- No.48 リビング
- No.49 リビング
- No.50 リビング
- No.51 リビング
- No.52 リビング
- No.53 リビング
- No.54 リビング
- No.55 リビング
- No.56 床の間
- No.57 リビング
- No.58 リビング
- No.59 子供室
- No.60 和室
- No.61 床の間
- No.62 床の間
- No.63 和室
- No.64 和室
- No.65 床の間
- No.66 床の間
- No.67 床の間
- No.68 寝室
- No.69 寝室
- No.70 リビング
- No.71 寝室
- No.72 寝室
- No.73 寝室
- No.74 エントランス
- No.75, No.76, No.77 EVホール
- No.78 エントランス
- No.79 エントランス
- No.80 エントランス
- No.81 中庭
- No.82 中庭
- No.83 玄関
巷間目にするアートワークの分析
アートワークの良否はアートの良し悪し(アート性)とアートが空間にマッチしているか(空間調和)の両面から見ると良く分かります。
左の座標軸を描いた図をご覧ください。
この座標軸のY軸をアート性、そしてX軸を空間調和という概念でお話しさせて頂きます。
Y軸が上にいくほどアート性が高く下に行くほどアート性が低い。また、X軸が右に行くほど空間調和(空間とのマッチング効果)が大きく左に行くほど空間調和が低い。と考えて頂ければと思います。
田の字型の①群のアートワークはアート性も低く、また空間調和の面からも劣ったものでアートワークの評価は4つの群の中では最も低いものです。
もちろんこれはアートワークという観点から見た私どもの感想ですのでこのことが当該建物の価値を損なっていると言っている訳では決してありません。ですがアートにより関心を持って頂くことによりよい空間が出来上がるのではないかという気持ちは強く持っています。
②群のアートはアートの質は良いと思われるのですが、惜しむらくはアートと空間とが少々マッチしていないというものです。これに対する対策としましてはフレームをより空間に合う材質や色合いのものと交換するなどの方法があります。
アートは良いが空間に合わないというのがこのジャンルのアートワークです。
③群のジャンルにあるアートワークは、空間調和という点から見ると合格ですが、アートの質が良くないためFFE全体にいま一つ格調が感じられないというものです。
より良いアートワークという観点から見た場合、よりアート性の高い作品を採用されることによりアート本来の“人々を楽しませ、感動させる”という機能が活かされてくるのではないかと思われます。
④この領域にあるアートワークはすべて個々の作品のアート性が非常に優れているとともに空間にもよくマッチしていますので空間の価値をより高めてくれます。もちろん同じ領域内であってもレベルは様々です。
Aはアート性は抜群だが空間調和の面でやや劣る。Bは逆に空間調和はすばらしいがアート性に少し劣っている等。
Cはアート性、空間調和の両面からみてベストのアートワークです。このレベルに達するためにはクライアント(FFE・アートワークへの理解と予算取り)、設計・デザイン担当者(センス、調整力)、そしてアートワーク担当者(センス、提案力、作家量)との間の三位一体となった協力体制が不可欠です。
Cのレベルにあるアートワークであれば楽しさと和らぎのオーラを周りに放ちますのでいわゆる癒し効果が期待されます。また、FFE・アートワークが圧倒的に美しい、といううわさ・評判を得るようになりますので同業他社や近隣の建物に対していわゆる差異効果を持つようになります。
アートワークの仕事はまずアート性の高い、空間に合った作品をプランニング・提案することから始まります。プランニング・提案に当たりましてはクライアントやエンドユーザーの皆さまに感動して頂けるようなアートをご提供したいといつも心がけています。
そして施主・建築士・デザイナー・コーデイネーターの方々の好みや考え方と弊社の考えとをうまくマッチングさせながら限られた予算の中で最高と思えるアートワークが完成し、作品がクライアントに満足して頂けた時に味わう醍醐味が日常仕事をするうえでのモチベーションです。
アートワークに関しましては下記のブログもご参考になるかと思いますのでご覧ください。
病院のアートワーク~内田晴之
https://www.g-fineart.co.jp/blog/125
オフイスにアートを飾る~坪田昌之~
https://www.g-fineart.co.jp/blog/123
アートのある暮らし~マンション共用部のアートワーク
https://www.g-fineart.co.jp/blog/121
ホテル アート
https://www.g-fineart.co.jp/blog/068
新社屋、研究所、工場に飾るアート
https://www.g-fineart.co.jp/blog/030